October
6
2005
この物語は続きの話しなので、よかったら1話から読んで下さいませ!
右にあるカテゴリーの中の「バイト時代の話」をクリックしてね!
(携帯で見てる方は、すんませんが必死に遡って下さい)
では本編へ・・・
熱気球と言う乗り物は風が強いと飛ぶ事が出来ない
今回のような仕事では特に
(一般客を乗せるから)風速を調べたり天候の変化を予測したりと
結構
シビアな判断が要求されるのだ(もちろんパイロットは気象学も勉強しないといけない)
現場に到着した我々は一息入れる間も無く準備にとりかかる。
何故なら早朝というのは比較的風が弱いからである。とても風が強い日なんかは一度も飛ばずに帰る事もあるぐらいなのだ・・・
だから飛ばせる時に飛ばしておかないと、この先どんな天候の変化が待っているか分からないからだ。
いよいよ作業開始だ!
熱気球の現場作業の中で最も
過酷で、最も
危険だと言われているのが今から行われる気球の立ち上げ作業なのだが・・・
御存知の通り気球を見たのも今回が初めてという俺が、今からその最も
危険な作業とやらに参加するらしい。
訳が分からない・・・
ではその立ち上げ作業を簡単に説明しよう
まずバスケットを横向きに倒し、球皮を(風船部分)めいっぱい広げる。
巨大なファン(扇風機)で風を送り球皮を膨らませる。何分間か風を送り続け
半分〜3分の2程まで膨らませるのだ。
実はこの時が気球の最も
不安定な時なのだ!
ほんの少し風が吹いただけでも球皮が振り回されるのだから!
それを食い止める手段はたった一つ!
球皮のテッペンから出ている
一本のロープ!
それを
人力で引っ張って振り回されないようにするのだ!
今回の配置
ファンで風を送る役(伝達係)→ D さん
球皮のスカート(風船の下の口の部分)を広げる役 → K さん & ?さん
この後バーナーで火を焚き熱風を送る役(パイロット)→ T さん
先程紹介したロープを
ただひたすら引っ張る役(肉体労働)→ T 吉 & 俺
全員配置に着く!
そして俺達2人は
ロープを握る!
俺 「だんだん膨らんできてるな〜」
先輩「もう少し膨らんだら、そろそろ振られるぞ〜」
俺 「そんなに振り回されんの?」
先輩「ちょっと風出てきたしな〜」
俺 「なんか
綱引きしてるみたいやな?」
先輩「何回も経験してるが、
勝った事無い!」
俺 「マジ?」
先輩「きたぞ!
死んでも離すなよ!」
俺 「
死んでも・・・?」
経験した事の無い力だった(風の力ってこんなに凄いんだと知った)
若者2人なんて簡単に引きずられてしまう
先輩
「引っ張れ〜!」
俺
「引っ張っとるわい!」
先輩
「左や〜!」
先輩
「ちょっと緩めろ!」
先輩
「次は思いっきり引け〜!」
凄い!風に合わせてコントロールしてるのか?
プロみたい・・・
先輩
「もっと引っ張らんかえ!」
俺
「アカン!引きずられるわ〜!」
先輩
「もたもたしとったら向こうから怒鳴られるぞ!」
俺
「嘘?あのパンチパーマに?やばいやばい!」
先輩
「殺されるぞ!」
D さん
「お前ら性根入れて引っ張らんかえ! ゴルァ〜!」
2人
「すんませ〜ん!」
ここは戦場か・・・って思うぐらいの緊張感!
思い返せばこの後、数え切れないぐらい熱気球の仕事に関わった。もっと凄い強風も経験した事があった。何メートルも引きずられて顔面傷だらけになった事もあった。でも今回が初めての俺はこの程度の風に圧倒されていたのだ・・・
ある程度膨らんできたらバーナーで火を焚き熱風を送り込む!
横になっていた球皮の中の空気が暖まり浮力が付く
一気に球皮を起してしまうと危険な為、ゆっくりゆっくり起すのだ!
その加減は例の
ロープ1本で調整するのだ(俺達2人が
最後の力を搾り出す場面だ)
風と戦った後は、浮力との戦いだ!
そして見事に気球は立ち上がった!
周りからは拍手!パチパチパチ!
正直・・・感動した・・・
急いでバスケットの位置まで走って行き、バスケットが浮かないように押える。
そこからは一般客を乗せて、数十メートル上がっては下がり、客を降ろす。
これの繰り返しだ!
俺の腕は
パンパンになり、
握力なんか残ってはいなかった。
とにかく身体は
ボロボロで・・・
経験した事の無い
緊張感と・・・
パンチパーマから発信される
威圧感・・・
「うん!いい経験が出来た!」
「でもこの仕事は俺には向いてない!」
「少々安くても気楽に出来る仕事さ〜がそ〜!」
たぶん5分置きぐらいに呟いていたかな・・・
幸いこの日は実施中に風が強くなったり、突風が吹いたりしなかった為、何事も無く順調に時は流れていった。
そして、この日の午後の事だった・・・
更に俺が
一日でこのバイトを
辞める決意をしたのは・・・
author : Akira Kobayashi
| Category:バイト時代の話 | 11:51 PM | comments (4) | trackback (0) |
コメント
お初ですm(__)m
なんかこの話になってから更新が急ピッチですね(笑)
続きがめっちゃ気になるー!!
| たいぞう | EMAIL | URL | 2005/10/07 03:21 AM |
俺も思ってたけどなんか、ピッチ早ないかぁあ(?、?)
ここまで一気に来たからには待たされるとたまらん。
1日2話ずつとかにしてくれ〜(笑)
Dさんは怖いひとやったなぁ、最近は音沙汰あるん??
パンチパーマなんて呼び方してたら怒られるんちゃうんかぁ。
俺は死んでもそんな呼び方はできません、、、
| ダディー | EMAIL | URL | 2005/10/07 12:16 PM |
ほら!君等がこんなん書くから・・・
今日は続き書かれへんかったやん!
もう!
| Akira | EMAIL | URL | 2005/10/08 01:11 AM |
あ・き・ら くん
そのパンチパーマ(本当はデザインパーマ)です。
久々に笑いました!なんか色々思い出しながら(^^)
そんなに威圧感を発信しておりましたか?あはは
続きを楽しみにしています。君に会えるのもね♪
ちなみに、今はストレートです。が 威圧してるのは
どうやら髪型ではなく 顔!らしいです。
そうゆう目で見られます。視線が・・・なんか違う・・・から
| パンチパーマ | EMAIL | URL | 2005/10/15 11:44 AM |
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