September
17
2005
今日まで・・・たぶん・・・
100回ぐらい行ってるのかな〜?
披露宴!
身内、親戚、友人、先輩、後輩・・・
でもそれらを全部合わせた数の何倍も・・・実は仕事で行っている。
どういう事か簡単に言うと!
世間一般に結婚式を挙げる「結婚式場」「ホテル」等に行き、披露宴で生演奏をして、宴を盛り上げ、宴に花を添え、時には
感動を演出したりする。
大抵が、それを専門にやってるプロダクションから依頼されて行くのだが・・・
よ〜く考えると、普通ではありえない事が普通になっている。
最も大切な事が
基本的に排除されているのだ!!それは・・・
何処にお住まいの!
何の仕事してる!
何歳の!
誰さんが!
何歳の!
誰さんと!
何処で知り合い!
何故付き合う事になったのか!
で、どれぐらい付き合って!
いつ頃 何処で
ヤラかしてしまったのか!
そして気持ち良かったのか!
どこが、どのように気持ち良かったのか!
その日は何回ぐらい・・・って
ちが〜う!!!
申し訳ない!又違う方向へ向かう所だった・・・
そして色んなドラマがあって今日、めでたく披露宴を行う事となった!
みたいな事を何1つ知らない人達の披露宴に参加してるって事なのだ!!
不思議なのだが、今や当たり前になってしまっている。
しかし景気が悪い悪いと言いながら、CD等では納得がいかず、生バンドでBGMを演奏してもらったり、時には友人の歌のプレゼントを生バンドで歌ってしまったりと、金かけた披露宴が・・・
結構あるんですよ!(俺でも月1〜2回ぐらい行くもんな〜)
高いお金払ってでも、一生に一度の記念の日を盛大にしたいと言う気持ちに答える為、スタッフ一同が全力で取り組むわけである。
それが俺達に要求された
使命なのだ!!
俺達バンドの役割は大きく分けて2つある。
1つは歓談の時や、新郎新婦の入退場の時などに、生演奏をする事により
「豪華」「贅沢」まぁ〜簡単に言えば
「わ〜何かすご〜い」的な物を感じてもらう事!
そしてもう1つが肝心なのである。
それは最も重要とされる場面
「感動」という披露宴では無くてはならないワンシーンを演出する事なのだ!!
今や日本国民のほとんどが知っているであろう、このシーンは大抵クライマックスに予定されている。何故かこのコーナーに入ると今まで賑わっていた会場がシーンとする。だから余計に我々も緊張してしまうのだが・・・
しかし昨日今日の
ポット出とは訳が違う!(かなりの
汚れっぷりには自信がある)
そんなプレッシャーには負けず100%の確率で感動を請け負ってきたのである。
今日は特別にそのノウハウのほんの一部を紹介しよう!
これは熟練された技と、若い頃の下積み経験(いかに
汚れ仕事を経験してきたか)が物を言う為、安易に真似をしないように・・・
では一番多く見られるシーンから(新婦の両親への手紙)
まず司会者が
「新婦様から 感謝の気持ちを込め お世話になった御両親へ お礼の言葉でございます」
このようなコメントを言い終わったら、
1.5秒の間を空けて(1秒では短かすぎるし、2秒では長すぎる)まずはピアノだけで、超 ppp で(メッチャ小さい音)弾き始める。
しかも
超悲しい音で・・・
俺は毎回ここで、そのピアニストに
「お前、今凄い悩み事あるやろ〜?」
って言いそうになる!ぐらい
悲しい音で入っていかなければならない!
それによって
3割の新婦が手紙を読む前なのに泣いてしまうのだ。
そして手紙を読み出したら、丁度いい節目で残りの楽器が入ってくる(もちろん超 ppp で)
そして新婦の感情、手紙の内容に合わせてボリュームを上げたり下げたりする(このボリューム調整はドラマーである俺の役目)
この時点で
出席者の3割が貰い泣きしている。
そして一番難しいのが手紙を読み終わる時である。
「これからは○○さんと幸せになれるよう2人で頑張ります。今まで私に注いでくれた愛情は忘れません。本当にありがとう」的な最後の言葉の後だ!!
必ず拍手がくる。しかしその拍手より先に演奏のボリュームを
一気に fff(メッチャ大きく)にしなければならないのである!
すると
6割が泣く!
ここから司会者が追い討ちをかける。
一般的には手紙の内容を引用して、もう一回言ったりするのだ。
演奏が
一旦 f ぐらいになった瞬間、司会者が素晴らしい
クレッシェンド(だんだん大きな声にする)でこんな風な事を言う。
「いつでもどんな時でも味方してくれた お母さん。何よりも大きな愛で私達の結婚を許してくれた お父さん。2人の為にも絶対に幸せになります。新婦○○さんの感謝の気持ち、御両親に届きましたでしょうか。皆様、
今一度大きな拍手をお願いします」
ここが
クライマックスだ!!
今までで一番
デカイ音量に持っていく!!!
司会者のコメントと最高のタイミングでの曲も盛り上がり!!!
ここまでやると、たいがい・・・
俺が泣いている・・・
自慢じゃないが仕事しに行ってるのに、毎回泣いてしまうのだ・・・
お客さんを感動させる為に演出しておきながら、自分が感動してしまう・・・
考えねば・・・
実は今日はその披露宴の仕事だったのだ。
なんと珍しく今日は歓談と余興だけの演奏だった。
だからあのシーンの時は会場には居ないのだ。泣かなくていいみたいだ!
ところが・・・
新婦のお色直しの退場のエスコートが、サプライズでお母さんがする事になった。
急に呼ばれて前に出てきた母は、嫁いで行く娘を間近で見て
号泣してしまった。
つられて娘も号泣!!
つられて俺も・・・・
なんでやねん!!
今日やっと分かった。
どうやら俺にはこの仕事向いてないようだ・・・
author : Akira Kobayashi
| Category:音楽の話 | 10:55 PM | comments (3) | trackback (0) |
コメント
毎回、読ませて頂いておりますが今回は思わず
手をたたいて笑ってしまいましたわ。
えらい感動しいですなぁ??
これで「怖い人」のイメージ挽回出来るんちゃう??
あっ!!それが目的だったとか・・・。
| kyokko | EMAIL | URL | 2005/09/18 11:03 AM |
ここまでやるとたいがい、、、、、、、俺が泣いている。<このくだりで飲んでた水を噴出しそうになったよ、、ほんで、おまえかい!って突っ込み入れ損ねたわい、いやー君も年をとって涙もろくなったってことかなぁ、ちなみにおれはつられて娘も号泣、つられておれも、、、なんでやねんって突っ込むところでつられておれもないてもた、、、って俺がなんでやねん!
| ダディー | EMAIL | URL | 2005/09/18 11:14 AM |
>kyokkoさん
こんな事ぐらいで「コワイ人」のイメージが取れるならいいんですがね〜
それとこれとは別みたいですわ!
それから自慢じゃないですが、ものごっつい感動し〜ですよ〜!
映画や、ドラマなんか一発でやられますな〜
>ダディー
それで無くても涙もろいのに、歳取って更にやからな〜
ほんまアカンわ〜!ついこの間なんか世界柔道見て泣いてもた!
まぁ〜それぐらいやないと見ず知らずの、あかの他人に
貰い泣きは出来ひんよ〜!!
| Akira | EMAIL | URL | 2005/09/19 12:53 AM |
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