September
26
2005
連休中のライブやコンサートも終り、5日ぶりに今日は学校だった。
ミュージシャンモードから
先生モードに切り替えるのは結構大変なんだが
さすがに10年以上もやってると切り替えるコツも分かってきている。
いつもの様に朝起きて、
先生モードのスイッチを入れてから学校に向かった。
今日の授業はドラムとボーカル以外の楽器の生徒を対象にした
「リズムに関する授業」だ。
そもそも昔にもボーカル対象に同じような授業をした事がある。
俺はその時に学習したのだが、やっぱりドラム以外の生徒はリズムに関する興味があまり無かったり、リズム感の大切さ、重要性が理解出来てない事が多い。
だからと言って無理矢理押し付けたりすると生徒は
拒絶反応を起したりする。
元々
「リズム」=
「ややこしい」「難しい」
と言う図式が成り立っているようだ。
だから今回のような授業をする時、生徒に対して
「この授業でリズムの大切さを分かってもらうのだ」とか
「リズム感を良くしてあげなければ・・・」
みたいな事を本気でぶつけてしまうと
ザザザ〜!
と音を立てて引いて行ってしまい、次から授業に来なくなったりするのだ。
ここが一番の問題なのだが、そんな彼等にどうやって授業に来させるか・・・
そこで俺の考えた作戦は、とにかく
楽しんでもらう事!
リズムを使ってリズム遊びをしたり、全然違う観点からリズムと言う物を体験させたり・・
しかしそれにも
限界がある。その時は
最後の手段!
ベシャリ で勝負するのだ!!
まぁ〜正直、
多少の自信はある!
しかしそう考えると、ドラムの生徒を相手にするドラムの授業は、そーゆう点では楽かもしれない。だってドラムに興味があって授業を受けに来ている訳だし、リズムの重要性も分かっているのが前提だし・・・
さて今日の授業内容なのだが、今日は16分音符を使って音符の聞き取り、書き方等を知ってもらう、という内容だった。俺が何種類かのパターンをメトロノームに合わせて声に出して順番に言う。生徒はそれを聞き取って楽譜にする。と言う単純だが、なかなか難しい作業だ!
実は文章で説明するのは大変難しいのだが、頑張って伝えてみよう!
まず16分音符が4つある。これは
「タタタタ」と連続して言うのだが、これで
1拍分になるのだ。一番ポピュラーと言っていい16分音符である。
たぶん、これが拍に合わせての
「タタタタ」だったら比較的簡単なんだろう
前半はこんな簡単な問題から始めたのだが、授業の後半は少し難しい問題を出してみたのだ。
簡単に説明すると、その
「タタタタ」が拍の頭じゃない場所から始まったりするパターンなのだ。
例えばこんな感じの問題だ!
これぐらいだったら分かってくれるかな〜?と様子を伺いながらだんだん難しくしていく。
ところが!何問か出題してみたが、なかなか皆高成績ではないか!
そんなこんなで・・・
そろそろ最終問題の時間が近づいてきた。
「さいしゅうもんだ〜い!」
例のごとく
「超無意味なテンションで叫ぶ俺」
しかし何故か生徒も
やる気満々ではないか!
すると俺は
調子に乗ってしまい、当初の問題に予定外の
アレンジを加えてしまったのだ。
その
アレンジとは・・・
拍の頭からスタートしないだけでも分かりにくいのだが、更にその
「タタタタ」に
歌詞をつけてしまったのだ!
そう!同じフレーズが続いて繰り返される場合(それぞれが拍の頭から始まっていない)そこに言葉や音階が加わると、更に難しくなるからだ。
俺は一瞬だったが、この
「タタタタ」にどんな歌詞をつけたらいいか悩んだ!
そして見つかった!
最高の4文字が・・・
「こばやし」
である!
この授業で
「タタタタ」に相応しい
4文字はこれ以外無い!!
そして俺はメトロノームに合わせて問題のフレーズ(歌詞付き)を出題した
これが最後に出した問題である。
残念ながら生徒達は歌詞の内容が予想外だった為、
笑ってしまい第1回目の出題を最後まで聞いてはくれなかった。
仕方無い!気を取り直してもう一回!
これを1回目出題としてあげる事にした。
「こばやし、こばやし、こばやし」
しかし今回は1回で正解する奴はいなかった。
やっぱり難しかったのか?
書けた奴は手を挙げて俺を呼ぶというシステムになっていて
俺はその生徒の所まで行き、回答を見る事になっている。
しかし今回は誰も俺を呼ばない。
仕方が無い、もう一回!
2回目を聞かせた。
何人かが俺を呼んだ
しかし見事に皆間違っている。
もう一回!
するとやっと正解者が出る!
「せ〜かい〜!」
又
無意味なテンションで叫ぶ俺・・・
そんな中、一人のギター科の生徒の様子がおかしい
彼は先程の問題までは、かなりの正解率だった奴なのだが
どうやら
「こばやし」の歌詞が気になって問題に集中出来ない様子だ。
それから俺が何回か問題を繰り返してる間も彼は言う
彼「あ〜!アカン!考えられへんわ〜もう〜!」
「先生!歌詞代えて下さいよ〜!」
俺「アカン!!これ以外の歌詞は無い!!」
「こんな事で惑わされたらアカン!
無になれ!」
と俺も
訳の分からん返事をする。
そうしている間にも正解者は増え、授業終りのチャイムが鳴ろうとしている
その瞬間!
「できた〜!!」
と手を挙げ、俺を呼んだ奴がいた
そう!彼である!
なんやかんや言いながら正解率良かったもんな〜アイツ!
やっと分かったんか〜!
どれ見せてみ〜??
そして・・・
俺は久し振りに生徒に負けた気がした・・・
これが彼の回答です。
思わず言ってしまった
「正解」
author : Akira Kobayashi
| Category:学校の話 | 11:20 PM | comments (10) | trackback (0) |
新着コメント(最新5件を表示)
スイーツさん>
ありがとうございます。
コワイって言う人柄も伝わっているみたいですが・・・(笑)
これからも見てやって下さいね!
| Akira | EMAIL | URL | 2005/09/27 05:57 PM |
>昔から手書きの譜面が好き(小林サン)
22年前に見たときは、音符のタマ(符頭)がピーナッツくらい大きく塗りつぶしてありました。
譜面全体が黒光りしていました。
見せてくれた時の誇らしげな笑顔は今も忘れません。
| いな | EMAIL | URL | 2005/09/27 10:57 PM |
やはり。。。
凄すぎます(ノ><)ノ
| Elli♪ | EMAIL | URL | 2005/09/28 01:59 PM |
レベルが違いすぎて話にならないかもですが・・。
昔、6歳児の子供たちにリズム打ちを指導したときのことを
思い出しました。35人の子供たちカスタネットを持ってもちろん
担任はハイテンションで
先生「ト・マ・ト、はい!」
子供「タンタンタン」
先生「ヨーグルト、はい!」
子供「タンタタタ」
というのを・・・。
6歳児には八分音符が限界でした・・・(笑)
| kyokko | EMAIL | URL | 2005/09/28 11:37 PM |
>いなさん
それは、たぶん生まれて初めて書いた楽譜だったんだろうな〜
それから手書きの譜面が好きってのは
自分が書いた物がと言う意味じゃなく
読む側としての意見ですので・・・
>Elli さん
何が凄すぎるの〜?
やはりってのも気になるな〜!
その生徒の事〜?
なら確かに凄しぎるわ!
俺も負けてられへんわ!頑張るわ!!
>kyokko さん
でもそうやって興味をもたせる事って大事ですよ!
俺もそのぐらいの子供相手にやりたいな〜
ほなら今回みたいに負けへん自信はあるねんけどな・・・
| Akira | EMAIL | URL | 2005/09/29 04:10 AM |